解体したら…白アリが“うじゃうじゃ”出てきた話。リフォーム現場で本当にあった怖い話

こんにちは。
リフォームの匠スタジオの吉岡です。

今日は、私がリフォームの現場で見てきた
「白アリにまつわる本当にあった怖い話」
を、少し怪談テイストでお届けしようと思います。

私はリフォーム業界に入ってから、もう十数年になります。
その中で、外壁・屋根・お風呂・キッチン・トイレ・内装…
さまざまな現場を見てきましたが、
いまだに慣れない“恐怖系”の現場があります。

それが、白アリ(シロアリ)です。

表から見ると「普通の家」なのに、
解体した瞬間、柱の中から、土台のすき間から、
白い虫が“うじゃうじゃ”とうごめき出す…。

今回は、

  • なぜ白アリは水まわりに集まるのか
  • 実際のリフォーム現場で起きた“白アリホラー”
  • 被害が出るとどれくらいの費用がかかるのか
  • 早めに気づくためのチェックポイント
  • 失敗しない白アリ対策・業者選びのコツ

このあたりを、現場目線で分かりやすく解説していきます。


白アリが好むのは「築年数」と「環境」がそろった家

まず前提として、
白アリが特に寄り付きやすい家には、いくつか共通点があります。

  • 築30年以上の木造住宅
  • 風呂が在来工法(タイル貼り・コンクリート下地)のまま
  • 床下の換気が悪く、ジメジメしている
  • 北側に浴室・脱衣室・トイレが集まっている
  • 雨漏りや結露で、長年、木部が湿った状態になっている

もちろん、これに当てはまる家がすべて白アリ被害というわけではありません。
しかし、 「条件がそろうと、一気にリスクが跳ね上がる」 のは事実です。


白アリはどこから来る?実は“地面の下”から静かに侵入している

「白アリは突然どこからか湧いてくる」
そんなイメージを持っている方も多いですが、実際は違います。

白アリは、

  • 空から降ってくるわけでも
  • 壁の中に突然生まれるわけでもなく

ほとんどが“地中”からやって来ます。

日本で多い ヤマトシロアリ の場合、
家のすぐ近くの地面の中に巣を作り、
そこから 湿気を伝って木材へと上がっていく のが一般的です。

白アリの主な侵入ルート

  • 基礎コンクリートと土台のわずかなすき間
  • 古くなった浴室まわりのひび割れ・欠け
  • 給水管・給湯管・排水管など、配管まわりの穴
  • 外壁と基礎の取り合い部のすき間

一見すると「たいしたことのないスキマ」に見えるのですが、
白アリにとっては立派な“トンネル入口”になってしまいます。


なぜ水まわりに白アリが集まるのか?

白アリが好む条件はとてもシンプルで、

  • 湿気がある
  • 暗い
  • 外敵に見つかりにくい

この3つです。

ですから、

  • お風呂(特にタイル風呂の在来工法)
  • 脱衣室
  • キッチンの床下
  • トイレ周り

こういった 「水を使う場所+床下がジメジメしやすいところ」 が、
白アリにとっては最高の環境になります。

特に古いタイル風呂は要注意です。
長年の使用でタイルや目地に細かなヒビが入り、
そこから少しずつ水が回り続けることで、
見えないところで土台や柱がふやけていきます。

木材が湿って柔らかくなると、
白アリにとってはまさに「食べ放題バイキング」の状態です。


【現場エピソード①】タイル風呂を解体したら、壁の中から…

ある築40年以上の木造住宅。
昔ながらのタイル貼りのお風呂で、
「冬は寒いし、段差も危ないのでユニットバスにしたい」
というご相談をいただきました。

解体初日。
タイルを割り、壁を少しずつ壊していくと――

バリッ、とモルタルが剥がれた瞬間、
その奥の木下地が“スポンジのようにスカスカ”になっているのが見えました。

嫌な予感がして、さらに壊していくと、
腐った木の奥から、白い細長いものがチラッと動きます。

ライトで照らすと、
そこには ぎっしりと詰まった白アリの集団…。

まさに、

「解体したら…白アリが“うじゃうじゃ”出てきた」

という状況でした。

お施主様には、
その場で写真をお見せしながら状況を説明し、

  • 被害範囲の調査
  • 白アリ駆除の専門業者への依頼
  • 腐った土台・柱の交換

といった追加工事の相談を行いました。

結果的に、
ユニットバス本体工事とは別に、数十万円規模の補修費用 がかかることになりましたが、
そのまま見なかったことにして工事だけ進めていたら、
数年後にはもっと大きな問題になっていた可能性があります。


【現場エピソード②】「最近、床がフカフカするんです」

別の現場では、
「キッチンの一部だけ、歩くと床がフカフカ沈む」
というご相談がありました。

一見、ただの床板の劣化のように思えたのですが、
床下点検口から潜って周囲を確認してみると――

  • シンク下の排水周りから、長年少しずつ水漏れしていた
  • その湿気を追いかけるように、土台と根太に白アリの蟻道(トンネル)がびっしり
  • 床板の裏側は、まるで発泡スチロールのようにスカスカ

という状態でした。

このお宅も、床の張り替え工事だけでなく、

  • 白アリ駆除
  • 土台の補修
  • 水漏れしていた配管のやり替え

までセットで行うことになり、
当初の予算を大きく超えてしまいました。


白アリ被害が出ると、どれくらい費用がかかるのか?

被害の範囲や構造によって金額は大きく変わりますが、
おおよそのイメージとしては、

  • 白アリ駆除(床下薬剤処理・5年保証など)
    → 一般的な戸建てで 10〜20万円前後
  • 被害を受けた土台・柱の部分交換
    → 数十万円規模になることも
  • 同時に行うリフォーム工事(風呂・キッチンなど)
    → そこにさらに数十〜百数十万円

という形になります。

つまり、
「リフォーム+白アリ補修」が同時に発生すると、一気に負担が大きくなる のです。

逆に言えば、

  • 早い段階で被害に気づく
  • 小さいうちに対処する

これができれば、
工事費用も被害も最小限で抑えられる 可能性が高くなります。


早めに気づくための「白アリチェックポイント」

ご自宅で、次のような症状がないか一度チェックしてみてください。

  • 床を歩くと、一部だけフワフワ・ミシミシする
  • 浴室のタイルやモルタルにヒビが入り、長年放置している
  • 雨漏りを「まあいいか」とそのままにしている場所がある
  • 建物の基礎や土台に、土でできた“筋”のようなものが付いている
  • 春〜初夏にかけて、家の中で羽アリを見かけたことがある

一つでも心当たりがある場合は、
一度プロに床下点検を依頼することをおすすめします。


自分でやってはいけないこと

白アリを見つけたとき、
「とりあえず市販の殺虫剤を吹きかけておこう」
という方もいらっしゃいますが、これはあまりおすすめできません。

  • 目に見える白アリだけを駆除しても、
    巣(コロニー)全体は生き残っている 可能性が高い
  • 中途半端に散らしてしまうことで、
    被害範囲が広がるケースもある

など、逆効果になることもあります。

また、被害の大きさは
床下や壁の中を開けてみないと分からない 場合が多く、
表面だけ見て「大したことない」と判断するのは危険です。


白アリ対策は「駆除」と「予防」のセットで考える

白アリに関しては、

  1. すでに被害が出ている部分の補修(腐った木材の交換など)
  2. 巣の駆除・薬剤処理(現在進行形の加害を止める)
  3. 予防処置(再発しにくい環境づくり・定期点検)

この 3つをセットで考える のが大切です。

特に、これから浴室やキッチンのリフォームをする方は、

  • 解体時に必ず土台・柱の状態を確認する
  • 必要であればその場で白アリ業者と連携する

この2点を押さえておくと、
後々のトラブルをかなり減らすことができます。


失敗しない業者選びのコツ

白アリ対策は、
「どの業者に頼むか」で結果が大きく変わります。

  • 調査だけで高額な契約を迫ってくる
  • 不必要に不安をあおってくる
  • 被害範囲を曖昧にしたまま、ざっくり見積もりしか出さない

こういった業者には注意が必要です。

選ぶ際のポイントとしては、

  • 調査内容と被害範囲を、写真付きで分かりやすく説明してくれる
  • 工事内容・保証内容(何年保証か)が明確に書面で提示されている
  • 「今すぐ契約しないと〜」と急かさない
  • 他のリフォーム工事との兼ね合いも含めて相談に乗ってくれる

このあたりをチェックしてみてください。


まとめ:白アリは「見えないところ」で静かに進行する

白アリ被害の怖いところは、
「目に見える頃には、すでにかなり進行している」
という点です。

  • 床が抜ける寸前になってから
  • ドアが歪んで閉まりにくくなってから
  • 解体して初めて骨組みの“スカスカ”に気づいてから

そうなる前に、

  • 築年数が古い
  • 水まわりに不安がある
  • 羽アリや床の沈みが気になる

という方は、
早めに信頼できる業者へ相談することを強くおすすめします。

私自身、
リフォームの現場で「もっと早く相談していれば…」というケースを
何度も見てきました。

この記事が、
あなたの大切な家を守るための「きっかけ」になれば幸いです。

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「リフォームの匠スタジオ」で検索してみてください。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。